禁煙者から喫煙者
書こうと思っていたこと。
これからも吸うことなどないであろうと何の心配もなく、堂々と禁煙者面をしていたここ数年間。
実際、煙草の欲求などもなく。
それが、ある日ふと。沸き上がる。
勤務中のこと。
煙草の補充をしていた。
メビウス、セブンスター、エコー…。
わたしはファザコンでもマザコンでもない。
だがしかし。父を思い出した。
父はセブンスターのソフトを愛煙していた。
そして言葉にも出したくない、義理の姉や兄のもとへ行き。
認知症になり。最後はどこぞの施設へ入れられる。
一緒に煙草を吸ったこと。
一本あげたこと。外出先で一本やると貰ったこと。買ってもらったこと。
元気だった父。
いろいろと思い出した。
元気だったころは思春期の娘。
衝突ばかりであった。世の中の父と娘のように。
そのまま、義理の姉や兄のもとへ行き。
認知症になり。最後はどこぞの施設へ。
最後は衝突で終わっている。
記憶につられて。ふと吸いたくなった。
帰宅後吸った。
よくあるお話「１本だけ」。
そして喫煙者へと逆戻り。
父を欲しているだとかファザコンだとかではない。
ただ、あの頃の父がふと、懐かしく思った。
まだ生きている。
わたしの中では、もういない。
死んでもういないのだと。
今日もまた１本吸うのだろう。
１箱が終わる頃には。完璧なる喫煙者と化しているのだろうか。
子供ができたら伝えたいこと。
わたしには、父親違いの妹がいる。
だけど、母親違いの姉と兄もいる。
父親はもういない。父方の親戚は探せばいる。
母親違いの姉には子供がいる。
だけど、父方の方は探すな。会うな。
姉や兄、それらの子供、親戚すべて一切。
自分のルーツを知りたくて、祖先を辿ろうとする子孫がいるかもしれない。
けれども、父方の方は探すな、会うな。
代々、子孫に伝えなさい。
妹の父方の親戚なども気になるかもしれない。
けれども、こちらも探すな、会うな。
代々、子孫に伝えなさい。
わたしの母親は父親違いの兄がいる。こちらも探すな、接触するな。母親違いの兄弟もいる。こちらも探すな、接触するな。
代々、子孫に伝えなさい。
